肺炎球菌ワクチンについて

 ご存知ですか?65歳からの肺炎球菌ワクチンは2種類あります。

 ニューモバックスプレベナーについて

 

みなさま、肺炎球菌ワクチンは2種類あることをご存知でしょうか?

今日はその2種類の説明をして参ります。

 

肺炎球菌とは?

さて、そもそも肺炎球菌とはなんでしょうか?

肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌です。

唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎を引き起こす細菌です。

重症化すると敗血症などの重い合併症を引き 起こすことがあります。

特に肺炎はわが国の死亡原因の第 5 位となっています。

成人の肺炎のう ち1/4 ~ 1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。

肺炎球菌は実は、90種類以上のタイプがあります。

 

子供は症状がないまま保菌していることが多く、特に保育園、幼稚園などの集団生活が始まるとほとんどの子供が持っていると言われています。

お孫さんがいる方は肺炎球菌ワクチンの接種を強く推奨します。

 

厚生労働省のページ

 

肺炎球菌ワクチンは2種類あります。

さて肺炎球菌ワクチン、実は2種類あります。

一つ目はニューモバックス(PPSV23)、もう一つはプレベナー(PSV13)と言います。

肺炎球菌ワクチン接種についてのイメージ図

・『ニューモバックスNP』(PPSV23)

 

ニューモバックスは、90種類もあるうちの23種類の肺炎球菌をカバーすると言われています。

肺炎球菌感染症の原因菌のカバー率は65〜68%となっています。

2014 年 10 月 1 日より 65 歳以上の成人を対象とした PPSV23 の定期接種が開始されました。

『ニューモバックスNP』は、2023年度までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、

60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に

日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方は定期接種の対象となります。

さらに、2019年度においては、2018年度末に100歳以上の方は定期接種の対象となります。

 

★但し、すでに今まで「ニューモバックスNP」を接種したことがある方は、対象とはなりません。

効果は5年です。5年毎に接種が必要です。

公費から補助が出るには一生で1回です。

5年で効果がきれた後の接種は、補助はなく自費(任意接種)扱いです。

 

 

 

・『プレベナー』(PSV13)

 

今の小児の肺炎球菌ワクチンといえばこのプレベナーを指しますので、小児肺炎球菌ワクチンとも言います。→こちらもご参照ください。

プレベナーは、2014年9月より65歳以上の成人に任意接種が可能となりました。

『プレベナー』は肺炎球菌の中で、13種類の肺炎球菌をカバーすると言われています。

肺炎球菌感染症の原因菌のカバー率は41〜48%となっています。

任意接種のみです。

また一生効果が続くので一生で1回きり接種で良いと言われています。

2種類の肺炎球菌ワクチン比較

 

 

 

肺炎球菌ワクチンの接種方法(どっちをどう打ったらいいの??)

では『ニューモバックスNP』『プレベナー』

どちらを打てばいいの?

両方打った方が良いの?

どうやって打つの??

と言うことですが

 

両方接種することで、被っている12種類の肺炎球菌予防のブースター効果も期待できると言われます。

米国では、プレベナーとニューモバックスNPを両方接種することを推奨しております。

どちらも接種することで

共通の12タイプに対しては、ブースター効果が期待されています。

 

★ブースター効果とは

自然感染または予防接種によってできた免疫は時間の経過によってだんだん弱くなります。

そこで、ふたたび抗原に接触することで、より免疫の機能が強まることを指します。追加免疫効果と言う意味合いです。

 

しかし、今の日本では、絶対全員に両方の接種をさせるべきだ!という断定的な結論が出ていません。

希望者が任意接種できるというところにとどまっております。

 

こちらもご参照下さい。

●日本感染症学会HP

 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版 2019-10-30)→こちら

 

 

接種間隔について

現在、日本では上記のように

絶対プレベナーを打たないといけないと言うふうには決まっていませんが

任意接種で両方の接種も可能な状況です。

しかし、それぞれの接種には下記のようなルールがあります。

ワクチン接種スケジュールイメージ図

①PPSV23の再接種間隔(ニューモバックス同士)

PPSV23接種後、5年以上の間隔をおいてPPSV23を再接種することが可能である。

一生で公費負担とできるのは1回です。

5年ごと接種される場合は、自費になってしまうところが要注意です。

 

②PCV13接種後のPPSV23の接種間隔(プレベナー → ニューモバックスの間隔)

PCV13とPPSV23の接種間隔については、

その安全性と両ワクチンに共通な血清型特異抗体のブースター効果が確認されている6か月から4年以内に行うことが推奨されます。

それ以上の接種間隔を空けた場合、PPSV23によるブースター効果が得られるか否かについては分かっておりません。

 

③PPSV23接種後のPCV13の接種間隔(ニューモバックス → プレベナーの間隔

PPSV23接種後のPCV13接種について、PCV13接種によって先行するPPSV23接種後以上の免疫応答は得られないものの

1年の間隔が保たれれば、その安全性には問題が無いことが確認されている。

こちらもご参照下さい

 

 

このように肺炎球菌ワクチンは選択するワクチンは2種類あります。
接種間隔は、注意が必要なので、接種希望される方、ご質問のある方は
当クリニックまでお気軽にご相談くださいね。

 

その際、以前接種された肺炎球菌ワクチンの記録があれば(いつ打ったかがわかれば)

スケジュールも一緒にたてますのでご相談くださいね。